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実は栄養が足りていない人多数!? “新型栄養失調”が引き起こす、カラダの不調って?|なんでも相談室「今日はどうされましたか?」#18

スキンケアに関する疑問から、カラダのお悩み、生活習慣のことまで、みなさんが気になることならなんでもOKの相談室。毎回、1つの悩みをテーマとして取り上げ、お答えしていきます。

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お悩みにお答えするのは…
相談員 細川 モモ

両親のがん闘病をきっかけに、最先端の栄養学を学ぶため渡米。帰国後、医師・博士・管理栄養士などの専門家が所属する一般社団法人ラブテリを発足、代表理事に。予防医療コンサルタントとして「Public Health(公衆衛生・健康)」を普及する活動にも従事。著書に「心と体がラクになる鉄分貯金」(KADOKAWA)が。

助手 清水 尚美

元美容メディア編集者。オルビス入社後はアプリコンテンツの制作を担当。普段の食生活は、好き嫌いはないものの、忙しいと食事を抜いたり、パン食に偏ってしまったり。野菜や果物が足りていないと自覚はあるが、一人暮らしゆえに割高に感じて手が出しづらい…。油断すると貧血気味に。


本日のお悩み

“心身ともに絶好調!”な日が、全然ない…!

気だるかったり、ニキビができたり、頭痛がしたり…。病院に行くほどじゃないけれど、なんだか調子がイマイチな日が多いのが気になっています。原因は何だと思いますか?

健やかに生きるための栄養、足りていますか?

写真:清水
清水
病院に行くほどではないけれど、なんとなくイマイチ日が続いている、と…。

写真:細川
細川
そういう時にまず考えてほしいのが、体が健康を維持するのに十分な栄養が日頃から足りているのか、ということ。肌や骨、血液、筋肉を作り、免疫を維持するのにも、体は食事由来の栄養を必要とします。

写真:清水
清水
免疫までも…。栄養不足が与える体への影響って膨大なんですね。

写真:細川
細川
さらに、幸福感を与えるセロトニンや、ストレスを和らげるGABAといった物質を作るためにも栄養を摂ることが必須ですので、メンタルまで影響が及びます。ですので、皆さんが自覚する不調のほぼ全てに、栄養不足が関わっていると言っていいと思いますね。

\この不調は、栄養不足のサインかも?/

□ 頭痛
□ 眠気
□ 口内炎、口角炎
□ 倦怠感
□ イライラ、気分の上下
□ 冷え性、手足の冷え
□ 肌の乾燥、ガサつき
□ 枝毛、抜け毛、髪のパサつき
□ 顔色が悪い
□ 風邪を引きやすい
□ めまい

食べる物は豊富にあるのに…。忍び寄る、栄養不足の影

写真:細川
細川
実は、私たちが10年ほど続けている、20〜40代の女性を対象にした健康・栄養調査では、「塩分以外の全ての栄養素が、足りていない」という結果が出ているんです。

写真:清水
清水
塩分以外全て、ですか!?

写真:細川
細川
はい。栄養素だけでなく、1日に摂取するエネルギーそのものも、調査対象年齢の人たちでは終戦直後以下まで下がってしまっています。

写真:清水
清水
やっぱり食生活の乱れやライフスタイルの変化が、栄養もエネルギーも足りていない原因でしょうか。朝ごはんを抜いてしまったり、食べるものが偏っていたり。食事制限を伴うダイエットも、一因になりそうですね。

写真:細川
細川
それもありますが、今では環境問題も原因の一つではと言われています。農薬の使いすぎにより疲弊した土壌で育った食物は、栄養素の含有量も少ないのではないかと。現に、2005年と2020年で納豆1パックに含まれる鉄の量を比較した際、3mgも減少しているんですよ。

写真:清水
清水
え!?同じ量を食べても、得られる栄養の量が減っているってことですか!?それなら、栄養を摂るためにもたくさん食べないと…。でも塩分以外、全部足りていないという状況だと、どこから手をつけたらいいかわからないです…!

まずは、体のベースをつくるタンパク質を

写真:細川
細川
肌、骨、髪、ホルモンなど、体のあらゆるものの材料になるタンパク質は必須中の必須といえる栄養素。タンパク質は赤血球の中にあるヘモグロビンの材料にもなりますから、血液を作る上でもとても重要です。

写真:清水
清水
血液に乗って栄養が全身に運ばれることを考えると、血が足りないのはかなりのマイナスポイントになってしまいますね。

写真:細川
細川
その通り。特に閉経前の女性は、生理によって定期的に血液を失いますから、血液を作る上で欠かせない鉄も大切な栄養素ですね。あとは、亜鉛、ビタミンD、必須脂肪酸のDHA、EPAも十分摂りたいところ。それぞれ、きちんとした役割があるんです。

写真:清水
清水
先生…。これらの栄養素を全部意識して摂ろうと思うと、献立を考えるだけで挫折する自信があります…。あれ、でも、全ての栄養素に魚が登場していますね!

写真:細川
細川
そう、これらの栄養素をパーフェクトに含む優秀な食材が、魚なんです。

まずは週に一度、魚を食べる習慣を持つことから始めよう

写真:細川
細川
タンパク質、鉄、亜鉛、ビタミンDは魚と赤身の肉に含まれていますが、DHA・EPAを血中濃度が上がるくらいたっぷり含有しているのは魚だけ。週に魚をどれくらい食べているかが、体のコンディションに影響すると言われるくらい栄養たっぷりなんです。

写真:清水
清水
今日から早速、魚を食べるようにします!アジフライ、大好きです!

写真:細川
細川
残念ながら、揚げ物は“嗜好品”です…。女性の美容と健康に欠かせない良質な脂質が酸化して別物になってしまうので、揚げ物よりはフレッシュな刺身、焼き魚や干物、煮魚を。もちろん、冷凍食品や缶詰でもOKです。できれば週に3回以上、難しければ週に1回は食べることから始めましょう。もちろん、塩分の摂りすぎには留意しましょう。

写真:清水
清水
もし、魚がちょっと苦手であれば、他の食材や方法でおすすめはありますか?

写真:細川
細川
食材としては赤身のお肉が◎。あと、食生活に自信がない方は、高タンパクヨーグルトやプロテインなどでタンパク質を優先的に摂りつつ、他の栄養素はマルチビタミン、マルチミネラルなどのサプリメントで補給するといいですね。

写真:清水
清水
しっかり食べて、体の中から整えていきたいと思います!

本日の学び

好きなものだけを食べているつもりはなくても、毎日の食事から必要な栄養素を摂るのは本当に難しい…。それに、毎日忙しかったり、一人暮らしだったりすると、コスパもタイパも重視したい!必要なタイミングでサプリメントも活用しながら、上手にチャージしていきたいです(清水)

監修/細川モモ
編集/間野加菜代(Cumu)
イラスト/itoaya

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